小学生からの質問
毎年、町内4つの小学校の児童が浄水場を見学し、矢巾町の水道について学習し、理解を深めていますが、その際の主な質問内容をご紹介します。大人にはない斬新で本質に迫る質問攻勢に、タジタジになりながらも明るく答えています。
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全般
Q1. 水道はいつ頃から使われるようになったのですか。
- A1.
- 日本では1887年(明治20年)に横浜で始めて浄水場が出来ました。矢巾町では昭和41年に浄水場が出来ました。
Q2. 1件の家庭で1年間で水をどのくらい使いますか。
- A2.
- 一般家庭では1件当り約20m3/月、220m3/年(平成24年度矢巾町実績)となっています。
Q3. 矢巾町全体の1日の水の使用量は。
- A3.
- 約7,700m3/日でした。(平成24年度実績)
Q4. 東部浄水場、西部浄水場では1日に水がどれくらい作られていますか。
- A4.
- 東部浄水場は約4,100m3/日、西部浄水場では約3,600m3/日でした。(平成24年度実績)
Q5. 岩手県に浄水場は何ヶ所ありますか。
- A5.
- 33市町村で321ヶ所あります。(大規模な水道36、小規模な水道179、専用の水道106)
Q6. どうして蛇口をひねるとすぐに水が出てくるのですか。
- A6.
- 浄水場から皆さんの家の蛇口までは水道管でつながっています。ハミガキチューブを掴むと中身が出てくるのと同じ原理で、水道の場合、その力は約3kg/㎝2の圧力になっています。
Q7. みんなが水道の水を使っているのに足りなくなりませんか。
- A7.
- 水道水となる地下の井戸水には当然限りがありますが、今のところかれる心配はありません。また浄水場は皆さんが使う以上の水を送ることができるような大きさの施設になっているので大丈夫です。
Q8. 水道の温度は決まっていますか。
- A8.
- 温度は決まっていません。浄水場から送っている水は季節によって異なりますが、おおよそ10度くらいです。
Q9. 将来給水人口の予想はどうなっていますか。
- A9.
- 平成29年度にはおよそ30,800人と予想しています。
Q10. ダムには何日分貯めておけるのですか。
- A10.
- きれいになった水はダムではなく、皆さんの学校のプールより大きい配水池に貯められます。貯められる水は約半日分です。
Q11. 矢巾町では地下水とダムの水で、どちらを多く使っているのですか。
- A11.
- 矢巾町では水道の水源としては、地下水のみを使っています。煙山ダムの水は農業用にしか使っていません。川や湖の水を利用するには★「水利権」とよばれる権利が必要になりますが、矢巾町ではこの水利権を持っていないため、川や湖からは水を取っていません。自然現象や事故(油漏れ)などに左右されて水質が悪化しやすい川や湖に比べ、地下水は安定した水質であるというメリットがあります。
ですが、地下水源だけでは将来的に限界があることも考えられますので、安定的な水源を確保するため、簗川ダムの事業に参加し、水利権を確保しています。
★水利権とは?;河の水などを独占的に使うことのできる権利のことを言います。
Q12. どのようにして水の量や質をチェックするのですか。
- A12.
- 水の量は、流量計、水位計などの計測器によりチェックしています。また水質については、毎月1回の水質検査と年1回の全項目水質検査を、民間の調査会社にお願いして行っています。また比較的簡単に測定できるものは、常時行っています。加えて毎日の点検時に職員が目で見る検査を行っています。
浄水場
Q13. 浄水場は、いつ頃できたのですか。
- A13.
- 東部浄水場は昭和41年に創設し、現在の浄水場になったのは平成6年3月です。西部浄水場は昭和50年に創設し、現在の浄水場になったのは平成9年3月です。
Q14. 浄水場はどのくらいの広さですか。
- A14.
- 東部浄水場は3,872m2、西部浄水場は10,103m2です。
Q15. 機械を動かすのに何人必要ですか。
- A15.
- 全自動運転なので、人は必要ありませんが、故障の場合は現場確認を行って修理します。
Q16. 電気代は、1ヶ月どれくらいですか。
- A16.
- 西部系全体で約135万円(うち西部浄水場 約30万円)、東部系全体で約88万円(うち東部浄水場 約66万円)です。
Q17. 地下からくみ上げた水はどのようにしてきれいな飲める水になるのですか。
- A17.
- 地下からくみ上げた水はポンプの力で道路の下にある導水管を通って浄水場に送られます。浄水場に送られた水は、消毒のための塩素とゴミなどを沈めるためのPACという2つの薬品できれいになります。
その後東部浄水場ではろ過する場所を通って透明で濁りのない水となります。つくられた水は、2,800m3の容量の配水池に蓄えられます。
西部浄水場では2つの薬品を加えた後に、ゴミを沈める池でかきまぜて、不要なものを大きなかたまりにして取り除き、その後にろ過する池で透明でおいしく安全な飲める水にします。つくられた水は、5,100m3の容量の配水池に蓄えられます。
Q18. くみ上げてから、飲める水になるまで、どれくらいの時間がかかりますか。
- A18.
- 井戸から配水池までは、東部浄水場で30分、西部浄水場で120分くらいです。
Q19. 一日にどれくらいの水をつくることができるのですか。
- A19.
- 東部浄水場の水をつくる能力は、1日あたり5,800m3ですが、実際に使われている水量(配水量)は1日あたり約4,100m3です。これは小学校のプール約13杯分です。
西部浄水場の水をつくる能力は、1日あたり7,000m3ですが、実際に使われている水量(配水量)は1日あたり約3,600m3です。これは小学校のプール約12杯分です。
Q20. どこから水がひかれて、家にはどのように送られていますか。
- A20.
- 東部では、北上川の近くにある2ヶ所の浅い井戸(8m)と、2ヶ所の深い井戸(130m)からポンプでくみ上げ、浄水場に送られた後、ろ過するタンクを2回通して水をきれいにして、その後一旦 タンクにためてから6台のポンプを交代で休みことなく運転して送っています。
西部では、浄水場から約2km東にある5ヶ所の深い井戸(150m)からポンプでくみ上げ、浄水場に送られた後、沈でん池とろ過池で水をきれいにし、一旦タンク(配水池)にためてから、自然の力で下流の低い所へ送り、また浄水場より高い所へは、一旦山の上のタンクにポンプで上げ、そこから自然の力で流しています。
Q21. 西部浄水場と東部浄水場で水を送る量が違うのはなぜですか。
- A21.
- 矢巾町では概ね新幹線の東西で配水管が分かれていて、それぞれの使う量が異なっているので送る量も異なっています。
Q22. タンクにはどのくらい水がためられますか。
- A22.
- 東部浄水場では2,800m3、西部浄水場では5,100m3です。
Q23. 安心して使えるようになった水を、一旦ためておくのはなぜですか。
- A23.
- ためておくことで、災害、停電、機械故障などの事故があった場合でもすぐには水が止まらないようにするためです。また、使う水の量に変化があっても対応できるようになります。
塩素など薬品
Q24. 塩素とは、どのように消毒する薬なのですか。
- A24.
- 雑菌を無毒にするために入れるものです。
Q25. 消毒する薬は、人の体に害はないのですか。
- A25.
- 全く害のない程度に、ごく少量だけを入れています。
Q26. 塩素はどのように入れるのですか。
- A26.
- 液状の塩素をろ過する前に入れ、不十分な場合はさらにろ過した後にもう一度入れています。
管路
Q27. 冬も水が凍らないで、家庭に送られるのはどうしてですか。
- A27.
- カエルが土にもぐって冬眠するのは、土の中は凍らないためです。水道管も同じように、凍らせないために土の中に埋めています。家の中では水道管にヒーターや断熱材などを巻いて凍ら ないようにしています。
Q28. 水道のパイプはどれくらいの太さですか。
- A28.
- 矢巾町で使用している水道管は太いもので35cmあります。細いと1cmのものもあります。東京都などでは人が入れる太さの水道管を使用しているところもあります。
Q29. 水が家庭や学校に届くまでに、どれくらいの時間がかかりますか。
- A29.
- およそ1日かかります。
働く人
Q30. 夜中は、誰が水の管理をしていますか。
- A30.
- 浄水場の機械が、自動で監視しています。異常があると警報が鳴って東部浄水場に通報されるようになっています。
Q31. 一番大変な仕事は何ですか。
- A31.
- 24時間、1年中いつでも安全でおいしい水が飲めるようにすることです。そのために、浄水場をはじめとする各施設の機械が正しく動いているか、水質に問題がないかなど常に看視をして、故障などがあればすぐに修理を行っています。また、つくられた水が消毒されて安全な水かどうかも常に確かめています。
Q32. 水を作るときに気をつけていることや、おいしい水を作る秘訣を教えてください。
- A32.
- 水に異常がないかいつもチェックして、おいしい水が作れるようにしています。
Q33. 働いていて良かったこと、困ったことはありますか。
- A33.
- 水道の大切さをわかってくれたときは良かったと思います。
停電や災害などで水が出なくなった時は困ってしまいます。
水道を使う私たち
Q34. 私たちが気をつけなければならないことは何ですか。
- A34.
- 水は、太陽や空気と同じく、生物が生きていくうえで、もっとも大切でなくてはならないものです。いつも当たり前のように使っている水道ですが、限りのある資源ですから、洗面や手洗い、シャワーなど水を流しっぱなしにすることなく、使わないときは蛇口を閉めて、水を大切に使いましょう。
Q35. 矢巾町のみんなに協力して欲しいことは何ですか。
- A35.
- 道路などで水がもれていたら連絡をお願いします。水道管が壊れている可能性があるので、早く直す必要があります。修理が遅いと水が出なくなってしまうことがあるからです。
危機管理
Q36. 今まで水不足になったことはありますか。また、そのときはどうしましたか。
- A36.
- 平成12年に井戸が故障した時に、流通センターから応援給水を受けたことがありますが、それ以外はありません。今後もし同じように水不足になった場合、矢巾町でも大地震の時などには、給水車で他の市町村に応援に出かけていますので、同じように応援をお願いすることになります。
Q37. 機械が壊れたらどうなりますか。
- A37.
- 大事な機械が壊れると水をきれいにすることができなくなってしまいます。そうならないよう矢巾町では毎月機械の点検をしています。