くらしと下水道
下水道の役割
下水道が整備されると、私たちが日常生活で使った水やし尿は、「汚水」として下水道管に流れ、下水処理場に集められて浄化されます。そして、再び河川などに戻され、私たちに役立つ水となります。
また、雨は、「雨水」として道路側溝などに入り、速やかに河川などに流されます。
この「汚水」と「雨水」を総称して「下水」といいます。
矢巾町の公共下水道処理区域内の汚水は、盛岡市・雫石町・滝沢市から流れてきた汚水といっしょに都南浄化センターできれいな水にして北上川に放流されます。
このため、トイレの水洗化をはじめ、側溝にも汚水や雨水がたまらないので、蚊やハエなどの発生を防いで伝染病を予防し、大雨が降っても浸水がなく、清潔で快適な生活環境が確保されます。
また、河川、湖、海などの公共用水域をきれいにする水質保全の役割を担っており、水環境をよみがえらせる働きをしています。
下水道のない暮らし | 下水道のある暮らし | |
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トイレが水洗化されます | ||
生活環境の改善が図られます | ||
浸水から街を守ります | ||
海や河がよみがえります |
出典:社団法人日本下水道協会ホームページ
下水道の歴史
矢巾町では下水道を「公共下水道」と「農業集落排水」の2通りの方法で整備しています。
盛岡広域下水道は、昭和47(1972)年、盛岡市・都南村・玉山村・矢巾町を区域として計画が立てられ、昭和48(1973)年に北上川上流流域下水道計画となり、雫石町が加わり整備が始まりました。矢巾町では、昭和49(1974)年から着手しました。この広域処理施設は昭和55(1980)年3月に都南村見前に都南浄化センターとして完成しました。令和4年2月現在、計画処理人口33.28万人、計画処理水量15.43万m3(1日あたり最大)を処理できる能力を備えています。
現在、矢巾町の公共下水道事業は、市街化区域・市街化調整区域の一部などの整備を行っており、平成30年度には概成予定です。
また、農村の生活環境整備を目的として、公共下水道整備対象とならない地区を対象とした農業集落排水は、農村総合整備モデル事業矢巾地区として、昭和49(1974)年に計画策定され、県内で第1号の農業集落排水として、室岡地区を対象に昭和55年(1980)年に着手、昭和58(1983)年完成にて供用開始となりました。
その後は、矢次、間野々、下赤林、西郷と5地区を整備し稼働してきています。
なお、室岡地区は定住人口の増加による施設容量が不足となってきたことから室岡地区の上流部の地区(岩清水、舘前、和味、桜屋)を含めて区域を拡大して、大型の処理施設を新たに建設することを平成12(2000)年に計画し、平成19(2007)年に不動地区として完成しました。
老朽化した農業集落排水を更新するよりも、公共下水道へ接続するほうが費用的に有利であることから、現在は公共接続事業を進めており、令和2年度に矢次地区が、令和4年度に下赤林地区がそれぞれ公共下水道に接続されました。
下水道のしくみ
下水道の建設や維持管理には、土木、建築のほか、電気、機械、衛生(水質)などのあらゆる科学分野の技術が生かされ、また、多種多様な施設や設備などが使用されています。
矢巾町の下水道は、分流式と呼ばれる方法で汚水のみを下水処理場まで運んで処理しています。 また、下水を下水処理場まで運ぶ方法は、少しでも経費が安くなるように、なるべく機械の力によらないで、高い方から低い方に、自然の流れを利用して運びます。
このようなことから、下水道管は、下流に行くに従って、だんだん地表からの深さが深くなりますが、あまり深くなると工事や管理が大変になりますので、途中のポンプ施設で汲み上げて、深くならないようにしています。
【図1】
出典:社団法人日本下水道協会ホームページをもとに作成
【図2】
出典:社団法人日本下水道協会ホームページをもとに作成